2007年04月27日

「劇場型」と「博物館型」の違い

■インテリアコーディネートのポイント(4)

■日本人の整理整頓とは…

 住まいは、物を蓄える場所です。

 昔は、人々が生きるための知恵として
 食料を貯えることを考えました。

 しまっておくための物が多くなれば、
 どのようにしまうかということが問題になり、
 整理の方法を考える工夫がされて来ました。

 しかし日本では、ほとんどの物を
「納戸(なんど)」へしまっておくという
 習慣がありました。

 そして出来るだけ部屋の中に
 物を置かないようにしたのです。

 歴史から考えてみても、
 物が存在しない空間を
 日本人は好んだようです。

 そして必要な時に、
 必要な物を取り出してくる
 という方法を取りました。

 舞台において大道具や小道具を
 持ち出してくるということから
「劇場型」と建築評論家の上田篤さんが
 著書の中で書いていました。
(日本人とすまい 上田篤 著:岩波新書より)

 では、欧米諸国での考え方は
 どうだったのでしょうか?

 ちなみに欧米の建物のことを
「組積造(そせきぞう)」といいます。

 組積造とは、石やレンガ、
 コンクリートブロックを積み上げて
 造られた建物のことを言います。

 一方、日本の住まいのは柱と梁からなる建物です。

「架構式(かこうしき)」と言います。

 話を欧米諸国に戻すと、
 組積造では部屋を自由に大きくしたり、
 小さくしたり出来ません。

 限られた中での生活をしなければなりません。

 部屋に物を置くというスペースを
 広げることが困難だったからです。

 床に置くという発想ではなく、
 上に積み重ねるという発想が
 自然と身についたのです。

 それで物は、家具の上に置くか、
 家具の中にしまうことになりました。

 納戸のように別の部屋にしまって
 見えなくするのではなく家具の中にしまい、
 いつも目に留まる所に物を置いていたのです。

 こちらは、「劇場型」に対して
「博物館型」と言います。

 物をしまうという習慣の違いは
 インテリアデザインの違いとして
 表れているのです。

 日本人は、物を片付け、
 部屋の中をシンプルに保つようにしていましたが、
 いつしか物が溢れてしまうようになってしまいました。

 私も、整理整頓は苦手です。

 ですが物を整理しなくてはシンプルライフを
 送ることができません。

 整理整頓の方法、そして収納術をマスターすることが、
 快適な住まいづくりには欠かせない大切なことなのです。


 次回は、家具選びについてご紹介します。


 酒井利美


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