今日は、先週の「柱」の話の続きになる「梁」のお話です。
■「梁」にはさまざまな呼び名があります。
・床梁(ゆかばり)
・胴差(どうさし)
・小屋梁(こやばり)
のように同じ「梁」なのに使われる場所によって名前が異なるの
で、混乱しがちです。
同じ「梁」なので使う基準がわかっていれば、問題ありません。
■「床梁(ゆかばり)」とは
「床の荷重を支えるために設けられる梁」のことです。
人がのるような場所に使う梁です。
■「胴差(どうさし)」とは
木造の軸組みの中間に設けられ、2階の壁および床を支える横架材
(横にかける材)で、壁と柱を支えている、梁のことです。
■「小屋梁(こやばり)」とは
屋根が乗ってくる場所に使われます。
このように梁には3種類に分けて使われます。
専門家でなくとも名前を覚えると、住まいづくりが楽しくなるの
で、出来るだけ覚えてみましょう。
さて、ここからが今日のテーマである梁の大きさです。
■[建築材料・構造編]住まいの「梁(はり)の大きさ」
前回は「柱」のお話しでしたが、今日は「梁」についてです。
「柱」の中では、その柱の大きさから寸や尺の話が出て来ました。
大切なので、尺と寸の話を復習してから、梁の話に進みます。
■「寸」と「尺」について
1寸 ≒ 30mm
1尺 ≒ 303mm(1寸×10)
という単位を使います。
在来木造軸組み工法の住まいでは、この単位は大切なので、覚え
ておきましょう。
現在でも、この寸と尺による基準で住まいが、つくられます。
柱では、一般的に3.5寸(さんずんごぶ)という大きさの柱を使い
ます。
3.5寸 = 105mm角、4寸なら120mm角となります。
「角」というのは幅と奥行きが同じということです。
寸と尺の大きさが具体的に見えてきたでしょうか?
それでは「梁」の大きさへ入っていきます。
■「柱」と「梁」の大きさ
「梁」の大きさは、「柱」の大きさと違うところがあります。
「柱」は、4辺が同じ大きさですが、梁は「幅」と「成(せい)」
であらわします。
■梁の「幅」
基本的に「柱」と同じ大きさを使います。
「柱」が3.5寸(105mm角)であれば、梁の幅も同じ3.5寸
(105mm)になります。
「柱」が4寸なら、「梁」も4寸になります。
なので住まい全体を3.5寸仕様でつくるか、4寸仕様でつくるかで
材木の量が大きく違ってきます。
「柱」の面積で考えるなら、105mmが120mmになると
105mm × 105mm = 11,025 mm2
120mm × 120mm = 14,400 mm2
大きさの違いで考えると
14,400mm2 ÷ 11,025mm2 ≒ 1.3
断面積で「約1.3倍」の大きさで変わってきます。
また木材は、「石(こく)」という材積単位で考えます。
ちなみに「石」とは、1×1×10尺であらわします。
3.5寸から4寸へ変更すると、材料の量が大きな違いになってくる
のがわかると思います。
■梁の「成(せい)」
次は、梁の「成」についてです。
幅については、先ほどのように柱に影響を受けます。
梁の高さのことを「梁の成(せい)」と呼びます。
また梁の「成」は、柱と柱にかかる横架材なので、その柱と柱の
間隔に大きく影響を受けます。
人がのるような場所と屋根がかかるだけの部分では、梁の成も変
わってきます。
人がのる部分についての基準について書いてみます。
今回は2階の「床」の下にくる「床梁(ゆかばり)」についてです。
もちろん基準は寸と尺です。
6尺(1,820mm)の場合の梁の大きさ = 120mm(梁の成)
9尺(2,730mm)の場合の梁の大きさ = 240mm(梁の成)
12尺(3,640mm)の場合の梁の大きさ = 300mm(梁の成)
のように基準があります。
胴差では、柱が乗ってくると胴差に荷重がかかってくるので少し
ずつ(30mm)、大きくしていきます。
胴差についての大きさは後日、詳しくお話します。
6尺(ろくしゃく)は、1間(いっけん)とも言い、
12尺(じゅうにしゃく)なら、2間(にけん)と言います。
大きな空間に梁を飛ばす場合には、大きな梁の成が必要になって
きます。
■大空間に使われる「梁」は集成材
住まいでは、6尺(1,820mm)・1間を基準に考えますが、通常「梁」
をかける柱間の大きさは12尺(3,640mm)・2間まで計画します。
12尺・2間を超えて部屋を計画する時には集成材を使って行きます。
梁で使われる「集成材」の「種類」と「使われ方」については、
次回にします。
