2006年01月14日

■歴史から考える「インテリア」(快適住宅論No.023)

■「インテリアプランナー」をご紹介する前に

 「インテリア」を知るには、まず歴史を知っておくと理解しやす
 いので、「インテリアの歴史」について考えてみたいと思います。

■歴史から考える「インテリア」

 インテリアとは室内空間を指しますが、室内空間に含まれる「物」
 も含んだ考え方で使われます。
 また、インテリアに含まれる「もの」や「要素」などは、たくさ
 んの種類があります。
 種類が多くなり何を基準に考えていけばよいのでしょう。
 それはまずインテリアの歴史を簡単に知っていると役に立ちます。

■「西欧諸国」と「日本」での「建築様式」の違い

 「西欧諸国」とは、日本の文化では室内空間について、大きく異
 なる考えがあります。
 それは、「建築の様式」の違いです。
 どんな様式かと言うと、
 「西欧諸国」→ レンガを積んでつくる「壁式」の建築
 「日本」  → 柱と梁からなる「架構式」の建築
  注:架構(かこう)
    建築物を構成する骨組み、部材の組み方。
 「壁式」と「架構式」の違いからインテリアを考えてみましょう。

■「壁式」につかわれるレンガ

 壁式というスタイルでは、職人がひとつずつレンガを積んでいき
 壁をつくり、そして、レンガを壁から屋根へとつないで、一つの
 建築物にしていきます。

 壁をつくるのは、想像出来ますが、それをドーム型に屋根を形づ
 くるというのは、大変な作業だと思いますね。

■「レンガ」は簡単に壊れない

 使われるレンガは、簡単に壊れるものではありません。
 なので建築物をつくるという発想は、日本とは根本的に違います。
 日本では、柱と梁という材木をつかって住まいをつくります。
 なので、つくるにはあまり時間がかかりません。
 そして、傷んできたら取り壊すという手法で、新しい住まいを、
 建築します。
 簡単に壊れないから、室内空間を重視したとも言えます。
 そして歴史が古いので、装飾に対する技術が発達しました。

■「窓」の考え方

 レンガを積む壁式の建築では、窓を大きく取ることができません。
 「窓」という開口部を、日本のように大きく取ることが、構造的
 に出来ません。
 「窓」は縦に細長く、横に短いので、壁の面積が必然的に大きく
 なりました。
 大きな壁を装飾することで、室内空間に潤いを持たせ快適に演出
 するという技術が、発達しました。

■「光」の採り入れ方

 少ない窓から、いかに「光」を採り入れるかということが、その
 当時の建築家にとって大きな課題でした。
 そして「光」を、上手に採りこむ手法を手に入れました。
 例えば、ローマの【パンテオン】です。
 円形の直径、ドームの高さ共に50mにも達する建築物で、上部
 には9mほどの天空光を採り入れる穴があいています。
 薄暗いホールに、劇的に明るい光が、差し込んでいます。
 私も、実際に見に行って来ましたが、感動ものでした。
 穴が開いているということは、建物の中に水が入ってきてしまい
 ます。
 その水を排水することも考えた設計がされているという緻密さに、
 あらためて感動しました。
 「光」が少ない住まいにいかに「光」を採りこませるかは、現在
 の日本でも大切な考え方です。
 ちなみに、日本では、建築基準法により各部屋に対しての「窓」
 の最低限の大きさが制限されています。

・この壁式の考え方は、快適な住まいづくりでは欠かせない考え方
 なので、次回からもひきつづき書いていきたいと思います。

 今回のお話は、私の大学時代の恩師である「谷川正己」先生の、
 教えを私なりに、アレンジしてお届けしました。
 谷川先生はフランク・ロイド・ライト研究の第一人者です。
 そして建築史の専門家。


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■【谷川正己】先生のご紹介
 1930年生まれ。大阪工業大学工学部建築学科卒業。
 元日本大学工学部教授。工学博士。
 2000年 谷川正己フランク・ロイド・ライト研究室設立 主宰
 1998年、「Frank Lloyd Wright研究に関する一連の業績」で
 日本建築学会賞受賞。著書多数。(本による抜粋)
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